・実際のデータの解析,一次反応の場合

では,実際の実験結果を解析してみることにしましょう.
まずは,簡単な一次反応から.

これは,分子が結合したり,解離したりする様子のスキームですね.
これ以外にも,チャネルの開閉のような,

でも何でもかまいません.
実際の時間トレースを見ると,

こんな状態になりますね.
それぞれの,持続時間,英語では,Dwell time,と言いますが,これはおのおのの速度定数に依存します.
実際には,速度定数の次元は,1/s,なので,逆数になりますが...
この持続時間は,先に述べましたように,確率的でランダムに起こる現象なので,一定の時間ではありません.
その分布は,指数関数に従うので,

というヒストグラムになります.
この分布を,指数関数でフィットすることにより,おのおのの速度定数が求まるのです.

では,次に逐次反応の場合の持続時間の分布はどうなるでしょう?

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